みなと酒田トライアスロンおしんレース

雄大な鳥海山の麓に広がる豊饒な庄内平野、絶景の日本海ここ酒田に30回目の熱い一日がやってくる

レース参加者誰もが感激するアットホームな大会

1974年にアメリカで誕生したスポーツ、トライアスロン。日本では1981年に初めてトライアスロン大会が開催、現在では各地で大会が行われ、多くの一般トライアスリートが楽しめる競技となっている。そんな日本におけるトライアスロン黎明期の1986年、地元の有志によって立ち上げられた大会があった。それが山形県酒田市で今も続く「みなと酒田トライアスロンおしんレース」だ。そのみなと酒田トライアスロンおしんレースが、2015年6月28日(日)に30回目の大会を開催する。国内で30回以上続くトライアスロン大会は数えるほどしかなく、みなと酒田トライアスロンおしんレースは間違いなく日本屈指の老舗大会。歴史を重ねてきた大会だけあって、運営や安全管理面などは非常にレベルが高く、他のトライアスロン大会運営者が参考にしようと視察にくるほど。地元でもすっかりお馴染みの大会で、大会には多くのボランティアが参加。レースに出たトライアスリートから「ボランティアの方々の声掛けがうれしかった」との感想も多く、とてもアットホームな雰囲気のある大会だ。

みなと酒田トライアスロンおしんレースはこれまでスタンダードディスタンスのみでの競技だったが、30回目という節目の大会でスプリントの部を新設。スイム400~500m/バイク13.3km/ラン3.4kmで行われるスプリントの部は、中学生以上から参加でき、トライアスロンビギナーにもおすすめだ。大会前日には小・中学生が対象の「ちびっこジュニアアクアスロン」も行われる。なかには、前日のアクアスロンに参加したお子さんが、翌日はトライアスロンのボランティアとして参加して、エイドで自分の親に飲み物を渡しながら応援するという、一家でこの大会を楽しんでいるケースもあるとのこと。スプリントの部が新設されたことで、親子一緒にトライアスロンに参戦するケースも考えられ、いろいろな形で家族みんなが楽しめる大会になっている。

ビギナーにもうれしいフラットコース、エキスパートも侮れない風とコーナー

出羽富士とも呼ばれるほどの美しい姿で佇む鳥海山。そんな名峰を近くに望む北港多目的グランドを主会場に、みなと酒田トライアスロンおしんレースは行われる。スイム会場は、最上川河口にある酒田港。防波堤で囲まれ、外海の波の影響を受けにくく、比較的穏やかな場所だ。スイムコースは浜に近い遠浅のエリアで行われるので、スイムが少し苦手という人でも安心して泳げるはず。スイムアップ後、トランジションまでのルートの一部が砂利になっているが、裸足でも走れるようにシートを敷いている。

バイクは、トランジションエリアを出て北港に沿ったルートを3往復するコース。天候に恵まれれば、往路では視界の先に鳥海山をとらえることができる。コースは全般的にフラットだが、イージーに走れるだろうという油断は禁物。片道約7kmのコースは1km前後の間隔でコーナーがあり、クランクもあるため、意外とテクニックが要求される。また、酒田でのレースで念頭に置いておくべきものが「風」だ。バイクの折り返し地点がある北港北側の海沿いの約1.5kmのストレートのコースに沿って、5基の風力発電用風車が建っているが、これが酒田の「風」事情を象徴している。酒田港周辺は、1年を通して一定以上の強さの風が吹く日が多い。当然、レースの時も風の影響を受ける可能性が十分にある。そんな風との戦いも必要となることを念頭に、レースへ臨みたい。
バイクを終え、ランでトランジションを出ると、今度は酒田港に沿って南下する。そうしてしばらく進むと、ここでも風力発電用風車が見えてくる。走っていくにつれてだんだん風車が大きくなり、風車のすぐそばまで近づいたところで丁字路を左折し、港を背にして東側へと進む。そして、最初の十字路で折り返して同じルートを戻っていく。この片道約1.7kmのコースを3往復すればフィニッシュだ。

レースの前後で酒田の美味を味わい尽くす

みなと酒田トライアスロンおしんレースの完走後のお楽しみいえば、カレーライス。カレーには酒田市に本社がある平田牧場の銘柄豚「三元豚」を使い、ライスは庄内で穫れた美味しいお米だ。調理するのは地元の板前さんたちと、素材も調理も一級品なので、美味しくないわけがない。レース参加者はこのカレーライスが食べ放題で、毎年大好評。このカレーを味わうため、みなと酒田トライアスロンおしんレースに挑戦してみるのも意外とアリだ。
地元の庄内米は、大会前日のカーボパーティでもオードブルなどとともにふるまわれる。パーティでは、庄内米で作った美味しい地酒も味わうことが可能だ。30回目の記念大会は、カーボパーティも例年より豪勢にする予定とのこと。今年は前日から楽しみがより詰まった大会になりそう、そんな期待が膨らむ。
本部会場にはさまざまなブースが出店し、地元の農産物・特産物を紹介するブースも充実している。レースを終えたら、これらのブースによって酒田の魅力に触れてみるのもおすすめだ。地元の職人が作ったグラスアートのキーホルダーなど、大会オリジナルグッズも販売している。大会参加記念に、これらのグッズを入手するのもいい思い出になる。

30回目という節目の大会となるみなと酒田トライアスロンおしんレース、いろいろな演出が考えられていて、レースは大いに盛り上がるはず。大会そのものを楽しむことはもちろん、酒田のまちも満喫するため、今年のエントリーを強くおすすめする。

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『おしん』のロケも行われた庄内のシンボル・山居倉庫

ご存知の方も多いとは思うが、みなと酒田トライアスロンおしんレースという大会名の「おしん」とは、NHK連続テレビ小説で国民的人気を博した『おしん』のこと。大会がスタートした1986年は、『おしん』の放映が終了して2年ほど経過していたが、まだまだ「おしん」というタイトルは人々の記憶に強く残っていた。そして、酒田といえば主人公・おしんの少女時代の奉公先である「加賀屋」の所在地で、ドラマの舞台として取り上げられた地である。

そんなつながりから、大会名に「おしん」が加わったとのこと。酒田とドラマ『おしん』のつながりを示すものとしては、ロケ地となった「山居倉庫」がある。明治26年(1893)に建てられた米保管倉庫で、米どころ庄内のシンボルともなっている。白壁、土蔵づくり9棟からなる倉庫は今も現役の農業倉庫で、樹齢150年以上のケヤキ41本の連なるケヤキ並木や敷地内に併設された庄内米歴史資料館などもあり、人気の高い観光スポットのひとつ。大会会場からもそれほど離れていないので、バイクでちょっと寄ってみるのもアリだ。

美しき姿の鳥海山を登山やヒルクライムで体感

大会のメイン会場やコースの各所から見える鳥海山。山形県の最高峰であり、東北地方で2番目の高さを誇る山は、庄内平野から眺める姿の美しさはもちろん、登山でも人気が高い。酒田市には、鳥海山の登山ルートで車道終点から山頂までが最短となる湯の台登山口がある。この登山口は、例年6月最終日曜日に山開きが行われ、9月末まで夏山登山が楽しめる。2015年の山開きは、みなと酒田トライアスロンおしんレースと同日の6月28日(日)。この日から登山道の山小屋の営業が始まるため、大会翌日に行ってみるのも面白い。中・上級向けのルートだが、万年雪が残る雪渓などもあり、きっと楽しめるはず。花も豊富にあり、山頂までは行かなくても散策だけで楽しいはず。また、体力に自信があれば、湯の台登山口までバイクでヒルクライムにチャレンジするのもいいだろう。

癒しと絶景のハイブリッド・湯の台温泉鳥海山荘

鳥海山山麓にある温泉に行くのもおすすめ。標高500mにある湯の台温泉鳥海山荘は、絶景の露天風呂がある。みなと酒田トライアスロンおしんレースのメイン会場から車で45分ほどの距離。宿泊できるので、大会参加時の宿として利用するのもアリ。日帰り入浴も可能なので、レース後の疲れを温泉の効能と目の前に広がる絶景で癒すというのも悪くない。

景観や独自の植生、美味しい料理が楽しめる離島・飛島

酒田をアクティブに楽しむならば、山形県唯一の離島「飛島」へ行こう。酒田港から北西39kmに位置し、定期船「とびしま」で75分で行けるこの島は、鳥海山の山頂部が吹き飛んできてできたという伝説もある。6~7月はトビシマカンゾウが群生し、島のさまざまなところで少し濃い黄色の花を見ることができる。トビシマカンゾウは飛島と新潟県の佐渡島だけで分布する珍しい花で、これらを見ながらトレッキングを楽しむ人も多い。また、巨木の森やミステリアスな洞窟など、好奇心をそそるスポットも。ほかにも、人の少ない穴場ビーチや釣りスポットなど、いろいろな楽しみ方ができる。

島での移動は、自転車がおすすめ。定期船発着場近くに無料のレンタルサイクルがあり、これを利用してもよいが、自分のバイクを持っていくことも可能だ。バイクは定期船の貨物室にそのまま搭載でき(搭載料:片道300円)、島に着いてすぐ乗ることができる。周囲約10.2kmの飛島で気軽にライドを楽しむのもいい。時間があれば、島にある旅館・民宿に宿泊して島料理を堪能してもいいだろう。

新鮮な海鮮と美しい夕日、感動が満載の酒田港

飛島行きの定期船が発着する酒田港にもグルメスポットがある。それが、さかた海鮮市場だ。ここでは、水揚げされたばかりの旬の魚介類が並べられ、仲買人たちで活気がある朝市が行われるが、1階には庄内浜で取れた新鮮な魚介類が並ぶ鮮魚店があって、一般の人でも買い物ができる。そして、2階が庄内の新鮮な海の幸を満喫できる食事処となっている。目の前に広がる日本海と酒田港を眺めながら、庄内の海の味覚を楽しむことができ、食も景色も堪能するということも可能。また、施設には港を眺めるウッドデッキもあり、ここから景色を眺めるのもアリだ。

ちなみに、酒田港は美しい夕日が見られるスポットとしても有名。中でも最上川に架かる出羽大橋からの眺めは一見の価値あり。また、みなと酒田トライアスロンおしんレースのメイン会場にある酒田北港緑地展望台からの眺めもなかなかのもの。レースで訪れた際、天気が良ければぜひとも美しい夕日を見ることをおすすめする。

地元の人々のソウルフード・酒田ラーメン

酒田で食べておくべきものとしては、ラーメンも挙げられるだろう。酒田では大正末期からラーメンが食べられていて、今では全国で知られるラーメンの街となっている。酒田ラーメンの多くは、自家製麺でスープは魚介系ダシの醤油味。昔ながらの中華そばといったスタイルが多く、ワンタンが入っている店も複数ある。そんな地元・酒田で愛され続けているラーメン、現地に行ったら食べないなんてもったいない。大会前日の昼食などで、味わってほしい。

みなと酒田トライアスロンおしんレース

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