取材した人:吉本拓也
日本のトライアスロン発祥の地である「全日本トライアスロン皆生大会」は、今年31回目を迎えた最も歴史のあるロングの大会だ。「灼熱の皆生」といわれるだけあって、今年も34℃を越えて暑さとの戦いとなった。
スイム3キロは皆生温泉沖を海岸と平行して泳ぎ、バイク145キロは鳥取・名峰大山のふもとを走る。バイクコースの前半は比較的フラットだが、バイクを降りて地下道を通るという「皆生名物」のローカルルールがある。さらにバイク後半はジェットコースターといわれるほどアップダウンの激しいコースだ。ラン42.195キロは、皆生温泉から境港の「ゲゲゲの鬼太郎ロード」近くを折り返すコースでフラットだが、日陰が少ない。この暑さの中、終盤の歩道橋の上り下りは堪えただろう。
皆生大会の特徴は、なんといっても交通規制がないことだ。とくにランは歩道を走り、信号待ちをすることもある。また、ゴールまでの道のりも決して華やかな演出がされているわけではない。でも、皆生のよさがにじみ出ていた。ここに来てみて初めて人気の高さがわかったような気がする。
今回は団体の部に溝畑宏観光長官がオープン参加し、会場を盛り上げてくれた。
本職は広告や雑誌のアートディレクター。徹夜仕事に追われていた20代後半、体調を崩したのをきっかけにジョギングを始め、マラソン大会に頻繁に参加するようになる。3年後の1999年に新島大会でトライアスロンデビュー。以来、トライアスロン好きが嵩じて大会ポスターやショップ広告、雑誌などの制作に関わるようになる。トライアスロン歴12年目の43歳。