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Race Report

アイアンマン70.3セントレア知多・常滑ジャパン

開催日
2014/6/1(日)
天候
晴れ
気温
最高気温 28℃
水温
23.6℃
参加人数
エリート・エイジ:1588人、リレー:764チーム

取材した人:大野木聡子

5周年記念のアイアンマン70.3セントレア知多・常滑ジャパンが開催

2014年6月1日、愛知県の知多市、常滑市エリアでアイアンマン70.3セントレア知多・常滑ジャパンが開催されました。今大会の年齢別上位30名には、2014年9月7日にカナダのケベック州モントランブランで開催されるアイアンマン70.3世界選手権の参加資格が付与され、それを目標にレースに臨むというトライアスリートも多く見られました。

レース2日前からアイアンマンに染まるセントレア

レースに先立ち、5月30日午後からアイアンマンEXPOが中部国際空港セントレア4Fのイベントプラザでスタートです。空港内には巨大なアイアンマンのタペストリーが掲げられ、会場には御馴染みのトライアスロンメーカーやショップ、地元の飲食店など、12のブースが出展。レース2日前では選手の姿はまばらでしたが、これもレース本番という嵐の前の静けさといった印象を受けました。

緊張と興奮が入り混じったレース前日

レース前日となる5月31日は、午前中から競技説明会と選手登録が中部国際空港セントレアで行われます。朝から続々と選手が空港に訪れ、大会のムードが一気に上昇。ミドルディスタンスに初参戦という参加者も多く、競技説明会での彼らの姿からは翌日のレースに対しての緊張が伝わってきます。そんな選手たちをステージ上のMCがパフォーマンスで盛り上げる――そんな競技説明会が5回に分けて行われました。

空港に訪れた選手たちは、当然のようにEXPO会場へと足を運びます。ブースに並ぶさまざまなアイテムに興味津々の選手たち。そして、レースに備えてサプリやアクセサリーを補充する選手や、目新しい製品や記念グッズを買い求める選手たち。そんな会場で目を引いたのが、au損害保険のブースで行っていたサービスです。そのサービスとは、特製パネルに目標タイムを書いてブースにあるミニゲート前で記念写真を撮影するというもの。撮影した写真はau損害保険のFacebookページから確認できるので、ぜひ見てみてください。
さらに、レース参戦のために来日したクリス・マコーマック選手にサインや記念撮影を求める来場者も多数いて、EXPO会場は大賑わい。アイアンマン世界選手権で2度優勝し、2012年の本大会の優勝者でもある同選手は、トライアスリートにはあこがれの的。そんなファンたちに、マコーマック選手は笑顔を絶やすことなく接していました。

大人にも負けない頑張りを見せたアイアンキッズ

31日の午後には、翌日のスイム会場である新舞子マリンパークでアイアンキッズが実施されました。これは6~12歳の子供たちによるアクアスロンレースです。総勢20名以上の小学生が参戦し、6~8歳、9~10歳、11~12歳とエイジごとにスタート。新舞子マリンパークの砂浜からビーチに入ってスイムを行い、そのあとで海沿いのコースを走ってフィニッシュ。トライアスロンレースと同様、トランジションも用意されています。ゴールに向かって力の限り駆ける子供たち。大人顔負けの熱くレースに挑む小さな選手たちに、沿道からの応援も熱が入っていました。このアイアンマンの卵たちの将来が楽しみです。

今年一番の暑さと戦いながらゴールを目指す

ついにレース当日を迎えました。6月1日の知多・常滑エリアは快晴で、朝6時でも暑いと感じてしまうほど。スイム会場と駅をつなぐ橋の上から会場を見ると、朝早くから多くの選手の姿がありました。
今年は去年からスイム会場が変更し、新舞子マリンパークの砂浜からのスタートとなります。向こう岸には常滑の町が見え、ビーチと町を繋ぐ橋がスイム会場のエリアを離島のような雰囲気にしています。スイムチェックが始まった会場にはアップテンポのハワイアンが流れていて、新舞子マリンパークの南国のビーチに似た雰囲気との相乗効果により、南の島でレースに臨むようにも感じられました。

こうして選手たちの気分も高まってきたところでスタート10分前となり、ビーチにてセレモニーが行われました。その後、選手はウエーブごとに並び、それぞれスタートのときを待ちます。時間が経つにつれて第一ウエーブの選手の緊張が伝わったのか、にぎわっていた会場がだんだん静まっていきます。そこに響くMCのスタート1分前を告げる声。スタートを意気込む選手たちはぎらぎらとした目つきで目の前のビーチをにらみます。スタート10秒前、会場は静まり返ったまま。そしてついにスタート! 緊張から解き放たれた選手たちが一斉に海へ向かって走っていきます。静まっていた会場も声援が響くようになりました。その後も第2ウエーブ、第3ウエーブと選手たちが続々とスタートし、総勢1500名以上の選手が海へ飛び込みました。
すべての選手がスタートしてちょっとさびしい雰囲気が漂う砂浜から、応援の人々はスイムアップ場所へと移動。そこへ次々と選手たちが海から上がってきて、T1トランジションへと走っていきます。そしてバイクコースへと進んでいきました。

バイクはフラットなコースを3周半となっています。比較的楽に走れたためか、バイクは高速なレース展開に。そしてバイクを走り終えると、最後のランへ。常滑の海岸沿いを走るコースです。今年一番の暑さの中、多くの選手がつらそうな表情を見せています。それでも一歩一歩ゴールを目指す選手たちに、エイドではボランティアの方々が声援を送ります。暑さのあまり、ボランティアの方にホースから水をかけてもらう選手も多く見られました。懸命に走る選手の姿を目の当たりにすると、自然と「がんばれ!」という応援の声が出てしまいます。

こうして走り切った選手たちを迎えるフィニッシュ会場。ゴールゲートをくぐると、大会副会長を務める白戸太朗氏が一人一人と握手を交わし、労いの声をかけていました。完走した選手すべてが達成感に満ちた晴れやかな笑顔を浮かべています。完走後、コースに向かってお辞儀をする選手もいました。レースに対しての感謝からの自然な行動なのかもしれません。

選手は満ち足りてアワードパーティへ

17時にコースがクローズし、選手たちはアワードパーティが行われる中部国際空港セントレアへ向かいます。今回の完走率は94.77%。暑さのなか、かなりの選手が日ごろのトレーニングの成果を発揮してゴールしたようです。完走者の証であるフィニッシャーTシャツを着た選手たちが続々と集結し、会場はほぼ満席となりました。
バイキング形式の食事が用意され、パーティがスタート。参加者は食事を楽しんでいるなか、ステージではエイジ別の表彰が進められました。今回の優勝はクリス・マコーマック選手。実力者の同選手にとっては順当な結果だったかもしれません。
パーティ会場で話した地元愛知県出身のあるフィニッシャーは、今回がミドル初レースながら世界選手権のスロットを狙っていたとのこと。しかし、残念ながらランで勢いに乗れず、スロットが付与される順位に届かなかったそうです。ほかにも、「バイクまではよかった。ランでやられたよ。暑かった!!」という悔しそうな言葉をいろいろな選手から聞き、なかなか過酷なレースだったことを改めて確認。ただし、そのように語るフィニッシャーの面々は言葉とは裏腹にやりきった表情を満面に浮かべ、レース完走を喜んでいました。

やきもの散歩道を散策

アイアンマン70.3セントレア知多・常滑ジャパンが行われるエリアは多くの観光スポットが存在し、旅行で訪れても楽しめる場所です。せっかく訪れたのなら、レース翌日に観光も楽しむのもアリ。常滑といえば「常滑焼」を思い浮かべる人も多いはず。そこで今回は、常滑焼の生産を支えてきたエリアで、工場や煙突をはじめ、やきものを使った道や壁などさまざまな景観を楽しめる「やきもの散歩道」へと足を延ばしました。
やきもの散歩道は景観を楽しむだけでなく、やきもののお店も複数あります。今回立ち寄った常滑焼き 窯元「角山陶苑」もそのひとつ。工房に入るなり、ご主人の渡辺幸司さんが笑顔で迎えてくれました。こちらの工房は、焼き色鮮やかな器が特徴となっています。また、窓沿いには8個の電動ロクロが並んでいて、ここで陶芸教室やロクロ体験もできます(要予約)。作陶した作品にはメッセージを入れることができ、プレゼントにもおすすめ。雑誌やテレビで紹介されることも多く、著名な芸能人もいろいろと訪れているそうです。
渡辺さんからいろいろとお話を聞いていると、驚きの事実が判明しました! なんと、渡辺さんの奥さんがアイアンマン70.3セントレア知多・常滑ジャパンのボランティアに毎年参加しているとのこと。エイドで声援を送りながら、選手に飲み物を渡しているそうです。このような地域の人の声援は選手の力になり、本当にありがたいことだと思います。

さらに、ロクロ体験もさせてもらいました。粘土を触るのは小学生以来、土の柔らかな感触がなんとも新鮮です。大きめの湯呑みを作ろうと思いながらロクロを回し始めましたが、製作者にセンスがないようで、途中穴ぼこができたり、薄くならなかったり。ロクロを回しながら悪戦苦闘しつつ、最終的には渡辺さんのお力を借りてなんとか湯呑みの形になりました。作った器は乾燥後に焼いて完成です。焼き上がった作品は郵送してもらえます。トライアスロンとは異なるチャレンジを、角山陶苑でしてみるのも楽しいですよ。

大野木聡子

トライアスロンスタイル編集部のニューフェイス。
2014年、トライアスロンに初チャレンジ!!!

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