もともと陸上長距離をされていた加藤さんが、どうしてトライアスロンの世界へ?
実は、子どもの頃から、いつかトライアスロンをやりたいという思いを持っていたんです。中学の卒業文集には、「トライアスロンでオリンピックに出る」と書いていたくらいです(笑)。3歳の頃から水泳をやっていてジュニアオリンピックに出て、中学では陸上をやってきたので、それぞれの競技で満足できる結果を残してからトライアスロンと真剣に向き合おうと子ども心に考えていたように思います。それだけトライアスロンって厳しいと、感じ取っていたんでしょうね。
結局、大学卒業後も実業団に入り、結果を追い求めて陸上を続けたんですが、あるとき怪我をしてしまったのです。まともに練習ができないので、エアロバイクに乗って体を動かしていたのですが、そのときふと「トライアスロンに転向する機会かな」と思いまして。それがちょうど今から9年ほど前。オリンピックに出るという夢を叶えるためには良いタイミングだったのかもしれません。
トライアスロンって敷居が高いイメージもありますが、加藤さん的にはどうでしたか?
私は水泳と陸上を子どもの頃からやってきたので少し自信を持ってこの世界に入ってきたのですが、バイクに関してはママチャリに乗っていたレベルでした(笑)。スピードも出ますし、地面が近くて、最初は怖かったのですが、でも、練習でスピードに慣れてきたら逆に快感でした。
敷居が高いという意味ではオリンピックをめざすようなエリートの部では、スイム・バイク・ランをそれなりに均等に高める必要がありますので、大変な部分はあるかもしれません。ただ、一般の方が参加するエイジの部では1種目強みがあれば十分勝負できますし、面白いのではないかと思います。それに、トライアスロンは体のいろいろな部分を使いますのでクロストレーニング的な要素もあり、バランスの良い体型がつくれるのもメリットだと思います。
あとは、トライアスロンって、オフの楽しみもあると思うんです。私はエリートの部ですので、ストイックにレースに集中しなければいけないのが…(笑)。一般で参加する方は、その土地の海の幸などを楽しんだり、綺麗な海で泳いだり、選手を引退したら、そういう楽しみ方をしようと思っていますね。
トライアスロンを、長く楽しむコツってどんなことがありますか?
いま、トライアスロン競技者って40万人くらいと言われていて、最近は初心者の方が増えてきている印象があります。選手としては、競技として盛り上がるとうれしいので、より多くの人に長く競技を続けてもらいたいと思います。そのためには、勝ち負けにこだわりすぎないことが大切だと思います。たとえば、完走すればOKにするなど、マイペースな目標を持っていると長く続くのではないでしょうか。実際、私の周りでも高く目標を設定しすぎて燃え尽き症候群になっている人もいます。勝負にこだわりたい人は、1年のうちのこのレースと照準を定めて、本気モードと楽しむモードを切り分けるのが理想だと思いますね。
トライアスロンはグッズも多いので、そこを楽しむという点もありますよね。
スイムだったら視界をしっかり確保できるゴーグルを選ぶようにしています。バイクだったら、Uターンからの立ち上がりの加速が早いフレームの剛性が高いバイクを選ぶようにしています。
あと、やっぱり靴ひもですよね。キャタピランの企画だからヨイショするわけではないのですが、トライアスロンではトランジション(競技の切り替えのタイミング)が4番目の競技と呼ばれるくらい大切で、そこでもたつくと結果に大きく響いてくるんです。だから、キャタピランを使ったシューズの履きやすさは大きな武器になっています。
また、キャタピランを紹介された時、実はアキレス腱を痛めていたのです。理学療法の先生から靴ひもを締めるバランスについてアドバイスをいただいていて、これなら先生に指導された緩急のある締め方ができると思いました。また、不安要素としてはコブがたくさんあるので、走っているときにストレスになるのではないかと気にしていたのですが、実際長距離を走ってみてもノンストレスで驚きました。また、女子的には、カラーも可愛い色が揃っていて、練習やレースで気持ちを上げるという点でもとてもいいと思います。