疲労物質といえば「乳酸」をイメージする人も多いかもしれないが、乳酸は発生してもエネルギーとして消費できる分、意味はある。しかし、「活性酸素」は真の疲労物質としてアスリートをベストパフォーマンスから遠ざけることがわかってきている。人が吸い込む酸素のおよそ2％が活性酸素に変化すると言われているが、より多くの酸素を体に取り込むアスリートの場合、活性酸素の発生量は必然的に多くなる。つまり、それだけ筋肉や神経細胞を傷つけ、疲労度を高めるということだ。アスリートの適切な対応としては、抗酸化成分を積極的に摂取する、水素といった話題の成分で酸化対策を行うことがポイントだ。十分なケアを行うことで、酸化ストレスに強い体をつくり、試合前までしっかりと追い込んで練習ができる上、試合当日にベストパフォーマンスを発揮することを可能とする。

トライアスロンのような長時間の競技で気をつけなければならないのが、エネルギーが枯渇する低血糖状態（ハンガーノック）だ。体が重い、力が入らない、頭がボーっとする、競技に集中できないなど、脳が正常に働かなくなり、酷い場合は意識を失い、重症になるケースもある。低血糖状態を招きにくい体をつくるためには、競技を始める前にお腹をしっかり満たしておくこと。また、トライアスロンであればトランジションのタイミングでエネルギーになりやすく食べやすいもの（飲みやすいもの）を補給しておくこともポイントだ。

トレーニング・栄養管理と並んで大切なのが睡眠だ。睡眠は体と脳の貴重な回復時間であり、メンタルを整える重要な時間でもある。不規則な生活をしている人は調子を崩しやすい傾向にあるが、それは競技のパフォーマンスにおいても同じことが言える。規則正しい生活で、日々のルーティンをつくり、自らのベストパフォーマンスが、どのようなサイクルで生まれるかを把握し、計算しておくことも大切だ。